インボイスの誤解

今年の10月1日から施行されるインボイス制度についてニュースなどで私のような免税業者のフリーランスや免税業者から仕入れを行う仲卸や小売業者にとって税負担が増えるといった報道がなされていますね。
免税業者にとっては、今まで申告納税していなかったのでインボイス登録業者になると申告のための事務処理や納税額など多少負担が増える事に夏のは確かなのですが、報道内容を見ると受け取った消費税分を丸々納税しなければならないような表現となっている事に違和感を感じています。

というのも、年間の売上額が5000万円以下の事業者の場合、簡易課税方式を採用する事によって業種ごとに一定の割合で消費税の仕入控除額を算出する事が出来る(卸売りの場合90%、小売りの場合80%など)ので、仮に未登録の免税業者から仕入れを行っていたとしてもその消費税を全額負担する必要はないわけです。
簡易課税方式を用いて年間の売上額が1000万円以下の免税業者が負担する納税額を例えば年間売上額500万円で借り受け消費税額50万円の場合で計算すると、卸売業だと5万円、小売業だと10万円、製造業だと15万円、サービス業だと25万円という感じになります。
私の場合、フリーのシステムエンジニアはサービス業に該当すると思われるので、簡易課税方式を採用した場合のみなし仕入れ率は50%になると思います。
もちろん、売上額が5000万円を超える事業者の場合は適用外なのでインボイス未登録業者からの仕入れ分は仕入控除に出来ませんけどね。

この事から丸々負担しなければならないと誤解させるような報道を真に受けるのではなく、多少負担は増えるものの本来申告納税すべき消費税を免除されていた今までが優遇されていただけと割り切って考えてもいいのではないかと思っています。

今まで払っていなかったものを払う身としては確かにつらいものはありますが・・・。

【追記】
知り合いの税理士と話をしていたら、消費税の納税分は「租税公課」として経費計上できるので丸々損になるわけではないという話もあります。

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